私が「合気道」をテレビなどで見かけるのは、数年に1度くらいでしょうか。
ですので、あまりテレビ・雑誌などで見たことがある方は少ないと思います。
まず、合気道には試合がありません。 (私は、始めるまで知りませんでした。)
武道にはそれぞれの考え方があるのですが、合気道には試合がなく、「型稽古」が中心となります。
関連して「体重別」や「男女別」という括りもありませんので、老若男女どなたでも出来る武道です。
これは合気道の技は、筋力や体力に頼ったものではなくそのほとんどが「技術」によるものだからなのです。
これは「四ヶ条」という技です。
相手の手首あたりを握って、人差し指の付け根に力が集中するように技を掛けます。
これが非常に効く(痛い)のですが、写真や動画で見ても、体験したことの無い方はイメージが沸かないと思います。
他にも下の写真のように、技の形はいろいろあります。
実は、写真のような技の形は合気道以外の武道(例えば少林寺拳法や空手、警察官の訓練する逮捕術など)にも、似たような技があります。
人の手足の機能は同じですので、実は「手首や関節を決める形」は、それほどバリエーションのあるものではありません。
「小手返し」 「二ヶ条」 「三ヶ条」 これも「小手返し」
では、それぞれの武道で何が違うのでしょうか?
武道にはそれぞれ「理合」というものがあります。
「理合」とは、武道における相手との距離(間合)や技をかける技術のことを言います。
トレーニングで当たり負けをしないよう、強靭な体を作り上げる武道もあれば、
合気道のように、相手の攻撃を体で受けるのではなく、当たらないように「捌く」(よける、かわすという意味です)ことで、写真のような関節技の形に持っていく武道もあります。
合気道は、相手の攻撃を必ず捌きます。捌いてから、相手に技をかけるという武道ですので、体格の違いや性別、年齢に関わらず技を習得することが可能です。
合気道の良いところのひとつは、「年齢に関わらず」技を習得できるということです。
年齢を重ねると、基礎体力は衰えていきますが、合気道の技は「技術」ですので年齢を重ねても、稽古を重ねるごとに
向上させることが可能です。
ですからスタートに年齢は関係ありませんし、もちろん体力に自信が無い方でも大丈夫です。
また、「捌き」「技」ともに技の形を覚えるというより、合気道特有の「体の使いかた」を学ぶので、これまでの運動経験もあまり関係なく稽古をすることができます。
60歳から合気道を始めた方もいらっしゃいますので、生涯スポーツとも言えます。
「捌く」というのはこのような動きで、相手の攻撃をよけることです。
合気道は「見た目で分かりにくい」武道だと思います。
よく、「相手に触らないで倒すやつでしょ!?」と言うようなことを言われることがあります。
(私の周りの合気道をご存知ない方はそういったイメージを持っている人が結構いました。)
見た目にわかりずらいので、あまり触れていないように見えたりするのかもしれませんが、
実際はしっかり握っていますし、非常に合理的で理論的な武道です。
たとえば、上の写真にある「四ヶ条」という技。
相手の手首あたりを握って、人差し指の付け根に力が集中するように技を掛けるのですが、たとえば、体重80キロの男性と、体重50キロの女性がいたとします。
女性は「力を集中させるという技術」を持っているとすると、
体重80キロの男性が一点に乗せる重さが10キロ < 体重50キロの女性が一点に乗せる体重が50キロ
技として効くのは女性の方です。
こういったことは文章では実感しにくいとは思いますので、少しでも興味を持たれた方は、是非一度、道場に足を運んでみて下さい。
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